韓国船籍のタンカーが今月、国連安全保障理事会の制裁決議に反して北朝鮮籍船舶が洋上で別船舶に横付けして物資を移し替える「瀬取り」に東シナ海で関与した疑いがあるとして、日本政府が韓国政府に対し情報を提供し、事実関係を調査するよう求めたことが12日、政府関係者への取材で分かった。現場の状況から未遂に終わった可能性があるという。韓国籍船舶が瀬取り行為に関与した疑いが明らかになるのは初めて。
政府関係者によると、海上自衛隊艦艇が5月上旬、東シナ海の公海上で韓国船籍タンカーが北朝鮮船籍タンカーに接近しているところを確認。ただ、大量の積み荷を移し替えたことに伴う重量の減少で船体が浮き、水面下の喫水が浅くなるといった変化が韓国船籍タンカーには確認されなかった。政府関係者は、何らかの理由で実行に移されなかった可能性があるとの見方を示した。
韓国船籍タンカーはその後、韓国国内に帰港したとみられる。日本政府から情報提供を受けた韓国政府が調査に乗り出しているが、韓国船籍タンカーの関係者は瀬取り行為を否定しているとされる。これまでに韓国政府から正式な調査結果の報告は届いていない。韓国船籍タンカーは過去にも海上で不審な動きをしていたとの情報もあるという。
日本政府は今年1、2月に北朝鮮が関与した瀬取りの疑いがある事例を計4件、写真付きで公表。ドミニカ船籍タンカー、ベリーズ船籍タンカー、中国語の簡体字で船名らしき表示がある船籍不明の小型船舶、モルディブ船籍タンカーが、それぞれ北朝鮮船籍タンカーと横付けしていた。政府関係者によると、韓国籍船舶が瀬取りに関与した疑いが浮上するのは、公表していない案件を含め、極めて異例だという。
今回の事案は、4月27日に韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が首脳会談をした直後に発生。両首脳は南北融和ムードを強く演出したが、国際社会では「最大限の圧力」の継続が共通認識となっている。
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Source: おもしろ韓国ニュース速報